開業は試行錯誤のくりかえし

開業の相談を伺っていて感じることは
「無理なく、無駄なく、失敗もなく、
 スルッと成功するためにどうすればいいですか?」と
思っている方が多いのかな・・・という印象です。

そんな方法があるなら、私が知りたい(笑)

先に言っときます。
「開業は『試行錯誤』のくりかえし」です。
開業保健師の歴史はまだ浅いです。
「この通りにやれば正解」という型がありません。
だからこそ、実際に動きながら調整し、
色んな人とコミュニケーションを重ねていく中で、
自分なりのスタイルが磨かれていきます。

これは、ある開業保健師が、取引先企業で初めて
「健康相談DAY」を実施したときのお話です。
予約枠を5名分用意し、事前に社内ポスターまで作ってもらったのに、
なんと当日来たのはたった1名。
「これは失敗した…」と落ち込んだそうです。

しかし数日後、人事担当者から連絡が入りました。
「実は相談に来られなかった社員が、
 ポスターを見て“会社が本気で健康に気を配ってくれている"と
 感じていました。
 次回はもう少し気軽に話せる内容でお願いできませんか?」と。

これを受け、その保健師は以下のように改善しました。
タイトルを固いものから「ちょっと健康相談」へ変更
予約制ではなく、立ち寄り型に変更
相談内容のイメージを伝えるミニチラシを追加
すると、次回は10名以上が気軽に立ち寄る大好評の企画に成長しました。
最初の1名という結果だけを見れば“失敗"かもしれません。
しかし、その気づきによって現状に合ったスタイルを作り上げることができた。
このプロセスこそ、開業保健師としての「試行錯誤の価値」です。

開業は、必ずしも一直線ではありません。
問い合わせが増えない月もあれば、
研修内容がぴったりハマって高く評価される月もあります。

大切なのは、小さな気づきを拾い、少しずつ改善し、
相手と地域や企業の現状に寄り添った形に育てていくという姿勢です。

「まだ準備が足りない」と感じる方ほど、
実はすでに動き出せる力を持っています。
開業は、経験を積みながら柔軟に軌道修正できる世界。
試行錯誤の連続こそが、あなたを“社会に求められる存在"へ育てていきます。